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サードプレイスとしての社会活動団体の意義

  • 執筆者の写真: ACBaL
    ACBaL
  • 8月18日
  • 読了時間: 4分

サードプレイスとは、家庭(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)に続く「第三の居場所」を指しています。人が安心や連帯を求め、個人としてのアイデンティティが豊かに育まれる場です。文化的感度が高く、社会課題に関心を持つ方々にとって、「誰もが誰かのライフセーバーに(以下、ACBaL)」はまさに、そのような居場所となり得ると考えています。

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なぜ「誰もが誰かのライフセーバーに」はサードプレイスになり得るのか?


心理的安全と共感の循環が生まれる空間

ACBaLの活動は「孤立を未然に防ぐ」ことにその骨子があります。たった一言で命を救うこともある、という理念は、個人の孤独感に寄り添い、思いやりを贈る行為の尊さを示すものです。 こうした「そっと声をかける」文化は、参加者や訪問者にとって、心が軽くなる場。言い換えればサードプレイスを提供します。「大丈夫ですか」「いつでも相談してね」という簡潔な言葉こそ、心理的安全を醸成し、共感の輪を生み出します。自らの声かけが誰かの救いになり、「支えることで自分も救われる」という循環が生まれているのです。

気軽に参加できるオンラインの柔軟性


ACBaLは「縁日」や「コラム」「動画」「LINE登録」「イベント」など、さまざまな接点を提供しています。気軽に立ち寄り、読む/聴く/参加することで、自分自身のペースで関われる自在さは、まさに第三の居場所として魅力的です。オンラインでいつでもアクセスできる構造は、日々の生活の中に潜む「ちょっとした安心」を提供する構えに満ちています。


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本質的意義 表層的な繋がりではない「相互の救い合い」


アプローチの本質 防ぐ力としてのライフセービング


サーフライフセービングでは、「救助」よりも「事故を未然に防ぐ」姿勢が重要とされます。これを社会活動に置き換えれば、困窮や孤立に対して先回りし、手を差し伸べること。まさにライフセーバーの志と一致します。人間関係の小さな気づきや行動が、やがて社会の安全網となる。そんな“ささやかな接続”こそ、サードプレイスが提供する本質的な価値です。


社会課題に対する主体的参画の場として


ACBaLでは、若年者の自殺予防や孤立防止を目的に、挨拶・笑顔・握手・深呼吸といった“誰にでもできる行動指針”を掲げています。このような主体的に参画できる文化は、社会課題を遠い世界として捉えるのではなく、自らの生活や習慣として取り込める柔らかさがあります。自分ごととして意識し、かつ参加できる場は貴重なサードプレイスとなるのではないでしょうか。

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未来へ向けて個と社会をつなぐ新たなコミュニティを創る


「未完で生きる」という選択肢の肯定


コラムには「“未完”で生きるという選択」や「感性の再起動」といったテーマもあります。これは「完璧な存在である必要はなく、生きのびることそのものに意味がある」というメッセージです。サードプレイスとしてのACBaLは、完成ではなく過程を尊重する風景を提示し、そこに参加するすべての人それぞれにとっての「自分自身を肯定する心地よさ」を提供できると考えています。

多様なスピーカーと文化的学びの場


これまでの「縁日」では、多彩な職種のスピーカーが登壇しています。臨床心理士、弁護士、アスリート、起業家、中小企業診断士、大学教授、全日本フラチャンピオン、タレント、ナレーター、僧侶、社会起業家、警察庁OBなど、実に幅広い方々が共に語り、支え合う場がつくられています。このように異なる視点に触れ、共鳴し、また異論を受け入れる空間は、豊かな対話と文化的深化の場として機能し、サードプレイスとしての価値をより確固としたものにします。

あなたも誰かのライフセーバーになれる場へ

ACBaLは他者と、あるいは自分自身と向き合い合う場所であり、静かに深い支えとなる第三の居場所です。そこでは、単なる共感や賛意だけでなく、時に異論や視点の転換を通じた思考の深化も歓迎されます。過去の経験から学び、現代を通じてつなぎ、未来への期待を紡ぐ。それはまさに「あなたも誰かのライフセーバーになれる」展開の一歩です。

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誰かの命を救うのは、医師やカウンセラーだけではないかもしれません。たったひと言「どうしたの?」と声をかけてくれたあの人。何も言わず、ただそばにいてくれたあの人。そうした誰かの存在が「孤立」という選択肢を遠ざけてくれると考えています。


私たち一人ひとりが、誰かの「ライフセーバー」になることが求められている時代です。その第一歩は、見えない心の声に静かに耳を澄ますことから始まるのではないでしょうか。


【参照文献・出典】 内閣官房:こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_ibasho_iinkai/dai5/siryou1-1.pdf 内閣官房+1 国土交通省 都市局資料:「居心地が良く歩きたくなるまちなか」からはじまる都市の再生https://www.mlit.go.jp/common/001301649.pdf 国土交通省 大阪府/大阪産業経済リサーチセンター(ORCIE):《ポストコロナ社会のサードプレイス》 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/12078/orcie20report_third20place.pdf pref.osaka.lg.jp JILPT:目的交流型サードプレイスとライフキャリア(日本労働研究雑誌) https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2021/07/pdf/044-056.pdf JIL労働政策研究・研修機構


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