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新年のごあいさつ       

代表理事 中村美穂

新年あけましておめでとうございます。

ご承知の通り、世界的な混乱の中、不自由の多かった3年間だったと思いますが、仕事の形態や働き方を変えたり、各々が予防の励行を高めたことにより、今日では世の中に少しずつ“新しい日常”が浸透してきたようにも感じ、そしてまた新たな1年を迎えることができました。

まるでチームワークのように、共に乗り越えてくださった皆様には、この場をお借りして御礼を申し上げます。

 

そして、我々ACBaL「Anyone can be a lifesaver(誰もが誰かのライフセーバーに)」の活動は4年目を迎える事が出来ました。

改めまして、ACBaL(アクバル)「誰もが誰かのライフセーバーに」代表理事の中村美穂と申します。4年目の役員改選に伴い、西村前代表理事より代表理事を引き継ぎました。この場をお借りして、就任のご挨拶をさせて頂きます。

 

ACBaLは自殺率を減らしていくための活動を行うために、長い準備期間を経て4年前の1月にキックオフミーティングを開催し、今年で発足4年目を迎えました。

現在活動の中心となっている「縁日」は、人と人とを繋ぎ、意見交換会・交流を通じた意識改革の場として、毎月8日(現在は隔月で開催しています)に開催して来ました。第一回目は私が登壇させて頂き、以降はオンラインというスタイルに柔軟に切り替えながら4年間、ご講演者の方々や参加者の皆さん支えられて活動が続けられたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。

 

「この国の自殺率と向き合う」に取り組んで行くには、この活動自体を長く続け、「自分には関係ない」という大人を減らしていくことが大切なことだと実感しています。ここでいう「大人」​とは、社会全体の中で一人一人の意思が影響力を持っていて、その影響力が自死を選択しようとしている人に生きる選択肢を届ける事が可能である存在を意味します。

 

こんなに豊かで不自由のないと見える日本で、なぜ自殺率が問題視されることになってしまったのか。この難しい問題には、取り組むべきことが多く、まずはこの現実を大人が知らないことも大きな問題です。ここにいる私たちが担うことは確実にたくさんあります。気が遠くなるほど多いでしょう。

私は、このACBaLの活動とは別に、「みなとこども食堂」のボランティアに定期的に参加しています。はじめは、日本の、東京の、港区という場所で、このような活動が一部で求められている事が信じられなかったし、大人になった自分が社会の表面だけを見て、中枢(問題の本質)が何も見えていなかったことにショックも感じました。ACBaLの活動からも、こども食堂の活動からも学んだことは、孤独や痛みを感じている子ども(人々)が見えないところにいる。見えるところにはいない。知れば知るほど、「自分事」と感じて行動すべきなんだ、ということです。

同じ社会で暮らすどこかの誰かが苦しんでいた時、「自分事」としてそこに寄り添い、「自死を選ぼうとしている人からその選択肢を引き離していくことができる」そう信じています。

この活動を通じ、自ら決断する力と、背中を後押しする見えない力が交差する場所には強力なパワーが集まると感じています。ACBaLは、そんな場所になって行きたいと思っています。

はじめは綺麗事を並べてもいいと思います。私もそうでした。みなさんも人生が変わる節目には、時に何かしらきっかけとなる大きな出来事があったと思います。誰かとの出会いや苦しんだ出来事や嬉しかった出来事など。私も含め、「強く決意しなければなし得ない決断」は、嬉しい出来事より、つらく苦しんだ経験が元となることが多いのではないでしょうか。

 

苦しい経験をした人は痛みが分かる人。痛みが分かる人は優しい人。優しい人は強い人。強い人はよく笑う。笑う人は、笑い続けられる人は強い人。

私は誰よりも強い人間でいたいと思っています。それはチカラや権力ではなく、「どんなことが起きても自分が強いことで人に優しくできる。強さがあれば誰かを守ることができる。強さがあれば人に優しくなれる」という信念があるからです。

このように考えられるようになったのは、私自身が、かつてとても弱い人間だったからです。今日は割愛しますがまた機会があれば、誰かのために私の経験も話をしてみたいと思います。

是非、ご自身の経験を誰かのために行動に移してみませんか。自分が何を見て、どんな社会になればみんなが生き易いのかはっきりしていれば、たじろがない。ぶれないです。その強い思いで前に進んで行けたらと思います。

※「たじろがない」…動じない・目を背けない

 

「大切な人の大切な人は、私の大切な人」そう考えて生きる。大切な人を丁寧に大切にする、そんな一年に私もして行きたいと思っています。

 

挨拶が長くなりましたが、これからも活動への賛同を呼び掛け、企業やご自身の経験故に次世代を担う子供達や人々を守っていきたいと思ってくださる大人達、学生達と共に、歪みのとれた良き社会のサイクルを生み出し続けていきたいと思います。

元より、皆さんにとって素晴らしい年となることを心から祈念しております。そして、みなさんとみなさんの大切な人達の心身の健康を祈願して新年のご挨拶とさせて頂きます。

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